神様のヒマ潰し

The trick is living without an answer.

踏み台

土曜日から京都のフライパンの幼馴染と3日間過ごし、
何故こうなってしまったのかと頭を抱える本日。

土曜日は朝早く眼医者に行ってコンタクトを2weeksに変え、
家でだらだらしながら夕方すぎに会場へのんびり向かう。
着いたよーとLINEするともう本戦も敗者復活戦も終わったわ、
としょんぼり後片付けをしている幼馴染を1年ぶりに見て少し笑った。
チームメイトの皆は突如現れた名もなき女子に混乱していて、
こちらも挙動不審になってしまい、いそいそと解散して元彼を待つ。

が「機器が壊れた、間に合うか微妙」とかLINEが来て私たちは落胆した。
そもそも私たちは元彼に合わせてご飯の開始を遅くしたのであり、
何故お前機器の不具合の都合にこっちが合わせなきゃならんのだ、
主役は幼馴染だろうがと私たちは怒りでどっと疲れてしまい、
レストランの最寄りのミスドでドーナツで糖分補給し、
睡眠時間5時間かつ本日ぶっ通しで(負けたけど)頑張った
彼が無防備に小一時間寝るのを手帳をいじりつつ見守る。

よし奴は来ないからもう2人で行こうと決断を下し、
向かうは元彼と付き合うきっかけになったお肉が美味しいお店。
まずクラフトビールを頼み、肉に合う赤ワインをデキャンタで頼み、
それをお代わりし、まだ飲み足りずグラスも追加。
完全に酔った私たちは帰り道、高校生ぶりに手をつないだ。
途中まで同じ電車で、肩貸して、と久しぶりの人肌に甘えていると、
目が合って唇が触れて私の脳内はばちーんとショートした。
おいおいおいおい何をしているんだ私たちは、と頭上の私が叱咤する。
本当はこうなればいいと思ってたんでしょ、と脳内の自分がささやく。
それにしても電車の皆様にはお見苦しい姿を見せたに違いない。


もうアルコールで混乱してた私は何故かこの事案を、
来なかった元彼のせいにしようとして電話をかけていた。
20分ほど喋って、ディズニー頑張って来いよと言われた気がする。

次の朝起きると今年の夏で一番最悪な二日酔いから目覚め、
3時間くらいかけて復活したあと、友人の会社主催の
小栗旬田中哲司さんの舞台REDを見に行って大満足して帰ってきた。
芸術とは、古いもの、新しいもの、作ること、忘れられていくこと、
2人の対話によって語られるそれらはすごく刺激を与えてくれた。
小栗旬の足が長くて、そして舞台俳優だなと納得させられた、気迫が凄い。
ロンドンとブロードウェイでは田仲哲司はアルフレッド・モリーナ、
小栗旬の役はエディ・レッドメインだったそうではまるだろうなと思った。

舞台が予想以上に早く終わったので家に戻ってくると、
今日は私の家族と幼馴染の5人で中華を食べに行く予定だったので
ホテル出る時間になったら教えて、とLINEを飛ばして待っていた。
駅まで迎えに行って昨日の事件の原因を二人で追究した結果、
きっかけを作ったのは私だけど最終的に動いたのは君ね、で決着がついた。

中華料理店で彼はうちの両親に対してきちんとした優しい言葉遣いで話し、
苦手だと言っていた妹ともそんなそぶりを見せることなく話し、
お父さんがガンガン勧める紹興酒を律儀に飲んでいた。
帰り道も駅まで送っていくときに、手をつないだ。


今日は朝7時に駅で待ち合わせね!と6時半に電話すると、
すでに起きていて、ちゃんと起きてるから駅でな、
と優しい京都弁を耳に残し、コンビニでお水を買い向かう。
体内にアルコールが一滴も入っていない私たちは
眠い目をこすりながらごく自然に手をつなぎ、電車に揺られる。

シーは2年ぶりで夏に来るのはかなり久しぶりで、
トイストーリーマニアに開園ダッシュしたものの170分待ち。
とりあえず幼馴染に並んどいてな!と放置してインディーのFPを取り、
アンディの部屋に入ってアメリカのおもちゃの解説をしていたら、
一眼レフが出てきて写真撮ろうや、と言われて寄り添って撮った。
肩に回った腕の緊張がこちらにも伝わってきて少し笑う。
スコア勝負で負けた人がフローズンマンゴーおごりね!といざ勝負。
こてんぱんに負けた(そもそも勝てる見込みなんてなかった)

ウッディの前で写真撮ろう!と私から持ち掛け、
今度は脇腹のあたりに着地しようと伸びてきた腕を応援し、
撮り終わったら手をつなぎなおし、周囲を解説しながら
インディーに向かって女の子たちの写真を撮ってあげたりして歩く。
プルートが居たので駆け寄り、撮るので撮ってください交渉を始め、
早急に3ショットを撮り、わくわくが残ったままインディーに乗った。

もうやり切った感が否めないアラサー二人は、休憩しよう死ぬ、
とアリエルのエリアの薄暗いテーブルでうとうとしていた。
ビッグバンドビートまでの時間つぶしに先輩に勧められた、と
私も初めてのタートルトークで手を挙げたら当てられてしまい、
結婚したいんですけど出会いが無いんです、とガチな悩み相談をすると
「さっきからくっついてるその隣の男じゃだめなのか」とクラッシュ大先生。
まじでどの段階から見てたんだ、怖すぎである。
まさかそんな角度からの返しが来るとは思わなかった私は、
違うんですこの人は友達で!と言い訳してしまい大先生に
「ただの友達とはそんなにくっつくもんじゃない」と説教され心が折れた。

あれはあかんわーと笑いながらジェラート屋へ向かい、
アイスの食べ方が全く同じ(横からぐるりと舐めて上からつぶす)
ことにびっくりしながら違うタイプのコーンを交互にかじり合い、
挑んだビッグバンドビート、彼は案の定英語の歌の連続(英語苦手)に寝た。
ミッキーがドラムを叩くイケメンなシーンで叩き起こし、
最後に夏限定のショーが見たい!と私のわがままを聞いてくれたので
そこ相当濡れますよ、とキャストさんに脅されたのでポンチョを買い、
床屋さんみたい、いやモジモジくん?と何枚も写真を撮る。
ショーが始まり撮影は防水機能付きの彼の携帯に任せ、
容赦なく水をぶっかけてくるキャストさんにコンタクトをやられ、
下を上を向いて瞬きを繰り返したらいきなり抱っこされ、
あゆちゃんミッキーきたで!と人に埋もれてた私をちょっと担いでくれた。
おお、なんか青春してる、と夕日が射す中思ったのを覚えている。
ポンチョで隠れていない部分がびっしょり濡れた私たちは帰路につく前に
地球儀のところで可愛い女子高生たちを見つけて写真を撮ってあげ、
私たちも撮ってもらったところ色彩とズーム、そして構図が完璧だった。
あの女子高生に誰か君は写真の才能があるよと伝えて欲しい。


東京駅で彼の靴下を買い、お土産とお弁当を持たせ、
新幹線乗り場まで見送って何故か脳内に流れるのはドリカムの大阪LOVER。
あ、やばい、ディズニーマジックとやらにかかったかもしれない。
と寒さと、水に塗れた靴の中と、自分の思考の気持ち悪さに少し震えた。

そしてLINEで大好きな友達二人に事の顛末を話して悩む。
忘れるか、追いかけるか、長期戦か、様子見か。
LINEで送り合った写真を眺めながら、ぼんやりと、悩む。
今日の私との疑似デートを思いっきり踏み台にして、
彼はどこか遠くへ行ってしまうのだろうか。

離れゆく自分

夏がものすごい勢いで終わっていくのを感じる。
否、最近の私の時間はとてつもなく早く過ぎている。
最近仕事が終わってオフィスを出た途端に一日の業務を忘れ、
次の日に記録しておいたメモや送ったメールを見ながら
午前中30分くらいは業務の進捗確認に費やされる。

かと思えばプライベートも家でやったことや、
外食して友達と話していたこともすぐ忘れる事が多く、
手帳にその日思ったことをメモ書きしたり、ブログを書いたり
もしくは予定一つ決めるのだってすぐ手帳に書かないと忘れる。
Twitterのつぶやきも何を思って書いたのか
先月のボーナス出ない事件の時期くらいから思い出せない。

乖離症状がひどくなったのかな、毎日楽しいようで嫌なのかな、
なんか最近自分のことなのに自分じゃないみたいに感じる。
ジム・キャリーの映画の「トゥルーマン・ショー」に
まるで自分が出演しているのを見ているみたいな気持ちになる。
へえ、そこでその話するんだ、そう動くんだ、なるほどね、と
自分の頭の上にもう一人の自分がふわふわしていて頷く。
しばらく躁な状態が続いているかと思ったら乖離だな、これは。

ちゃんとこれを来週に先生に報告して対策を練らないと、
去年の入院の二の舞になってしまうと思う。
誰が悪いわけでもなく、勝手にもやもやして、自分のことを見失って、
どうでもよくなってしまって極端な行動に走ってしまいそう。
こんなことを考えていたらちょうどふわふわと手首を切ったのも
去年の今日の夜中だったことを思い出した、
心療内科に直行して即ドクターストップで水木金休んだっけ。


今日も仕事に身が入らないし、社内のモチベーションも低い。
結果を出せと言われるけど、もう出せる結果は出している。
本社からのノルマは達成しているし、残業だってしなくてもいい。
悪い意味でぬるま湯に浸かってしまっているので来週は頑張らねば。
今週はPMSだし自分の中の夏休みにして、来週からしっかり頑張ろう。

やる気スイッチがあるのならば、ぽちりと押したい。

放流

ロッキンで焼けた手の甲の皮膚がはがれつつある手で、
ついさっき来年2月のカンボジア旅行の予約をすべて済ませた。
東南アジア、初途上国、そして何より緊張する初一人旅!
ホテルは男女共用の部屋と迷い、結局女子部屋にし(3泊だし)、
アンコールワットへの英語のオプショナルツアーも申し込み、
あとは装備を買い、ビザを取り、空いた1日に何をするか決めるだけ。
行く前にバッグパッカーの先輩方に色々教えてもらおう、楽しみ。


今週は会社を早退してSの完成披露試写会に母と行き
向井理の顔の小ささに世界の遠近感と骨格形成の不思議を考え、
綾野剛の放つ雰囲気にこの人改めて好きだな、と思わされ、
青木崇高さん(何故かさん付けしてしまう)のスタイルに惚れ、
挨拶の時に「青木さーん!」と叫んでしまい「どーも!」と
反応して頂き死んだ。なんていい人なんだ、ついていこう。

そんなこんなで興奮しつつ帰宅し、0時に向けてスタンバイするは
金曜日のジュラシック・ワールドのMX4Dチケットのネット予約。
秒針が回った瞬間にF5と回を自分でも驚くべき速さで押し、
無事に私と彼の2人分のチケットをきっちり確保した。


金曜日は老害の絡みがうざく、女子社員で老害撲滅同盟を組んだ。
定時になった瞬間に総務さんと私はびゅーんと会社を飛び出し、
仕事全然終わってないけど放り投げて会社出た、という
終わらないからドタキャン覚悟もしていた奴からのLINEに笑った。
今乗り換えてる、電車たぶん1本差だから改札で待ち合わせに変更、
了解、と文字だけの短いやり取りが続いて途切れる。

焦げたな、と改札越しに見る彼の頭一つ抜けた姿を見て思う。
手を軽く振って気付いたのを確認すると、何故か気持ちが少し弾んだ。
映画は私のおごりだからとりあえずコーラを買ってくれたまえ、
とキャンプの感想を聞きながらMX4D対策にペットボトルのコーラを、
小腹を満たすためにバター醤油のポップコーンを買ってもらい
初MX4D+久々の3D鑑賞の彼にあれこれ教えながら席について、
映画が始まるまでポップコーンを空腹だった私たちはむさぼった。

私が持っている袋に伸びてくる腕は、私が食べる手を少し止めると
ひょいっと自分の方に持っていき、私が取りやすい位置に留めてくれた。
タイミングを計ってウエットティッシュを差し出そうと、
ふと彼の方を見ると3Dとのダブルメガネで笑いが止まらなくなってしまい、
噛み殺しながらジュラシック・ワールドの世界に飛び込んだ。

途中のシーンで顔を見合わせてインディペンデンス・デイやん!と
小声で笑いあい、単純なひっかけにびびって彼のシャツを掴むと、
振り払われなかったので時折掴むものが欲しかった時には借りた。
見終わって幼少期に見た最高傑作の1を上回れなかった点を羅列し、
ビールが飲みたい、とおおかた予測していたリクエストに
前に行ったクラフトビール屋を提案すると乗ってくれた。


お互いの好みを知っている彼とビールを選ぶのはいつも楽しい。
ちょっと迷って一杯目を頼み、来週の話から始まり、
私たちは昔や未来の話をしては笑ったり、注意しあったりする。
興味ないふりして、結婚にこだわってるなら時間ないんだから
なりふり構わず行動しろよ、と図星を言われてちょっとむかっときたので
正直言うと結構本気で君と結婚したいんだけど、と言うと
一瞬固まり、トイレに行く後姿を見てほくそ笑んだ。
そのポーカーフェイスが、皮肉な笑みが崩れる瞬間を見るのが好きなんだ。

私はタクシーで帰れるので、全然時計を見てない彼の代わりに
ちゃんと終電間際で駅まで見送ってタクシーに乗った。
シートに沈むように座ると、ぶっちゃけ過ぎて困らせすぎたかな、と
少し申し訳なくなって、来週はあまり踏み込んだ話はやめようと思った。
今日も心療内科の先生に、ちょっと自分が苦しくなりそうなんで、
上手い距離の取り方を勝手に傷つく前に決めますと宣言して、
彼のことは流れに任せて、手放してみようと、小さな決意。

ランナーズハイ

先週のロッキンから火曜日と水曜日は飲みに行き、
木曜日と金曜日は劇場で映画を見てあっという間に過ぎていった。
そして昨日は結局誰も合流出来る人が居ないまま、1人でロッキンへ。
先週より寝ぼけ眼で少し早く起き、特急で爆睡して会場に到着し、
60分待ちのBUMPのグッズはネットで買うことにして即諦め
グループ魂の角付きの一目ぼれしたフード付きタオルを買った。

充電ブースでKREVAの開始を待って飛び込むは前列ゾーン、
KICKは大好きだったし、ケツメイシDragon Ashも初期は好きだし、
地味にWOWOWでライブやってると早送りで見てしまう気になる存在。
曲は一発目から今年絶対生で聞きたかったイッサイガッサイでぶっ飛んだ。
先週より涼しい風が吹く青空の中で聞くこの曲はただただ最高だった。
最後の曲が元彼が大学の時に何回か行ったカラオケで歌っていた音色で、
少しセンチメンタルになりながら食べ物を探してNICOを遠くから聞き、
グループ魂も前列に飛び込んでいっていい年したおっさんたちが全力で
最低な下ネタを延々と歌い踊り話すのを大爆笑して聞きながら、
笑いすぎたらしくへばり、モニュメントの陰で2時間倒れて寝ていた。

貴重品を抱えたまま1人でがっつり昼寝出来てしまうなんて平和だと思いながら
起き上がって何かを食べねば、と思いすれ違った人が持っていた
カツカレーを買いチューハイとあおり、マンウィズを少し後ろから見た。
日本人が歌う英語が主な曲はなんか違和感を感じてしまって少し苦手。
終わった瞬間に洋楽ロックライブで培ったスキルを駆使して全力で前へ向かった。

BUMPを生で見るのは最後に行ったライブの2008年から7年ぶりで、
1曲目の天体観測から私の脳内は3rdアルバムのjupiterに
何度も救われた中学生時代に戻り、色んな感情が渦巻いていた。
途中のメーデー、最近の自分の中で一番ヒットの虹を待つ人、
汗でもみくちゃになりながらあっという間に終わった夢のような時間、
花火を見ながらなんか生きてて良かったなあと漠然と思った。


ものすごい疲労感に襲われながら帰りのシャトルバスを待ってる間、
ボーイスカウトの大会にOB枠?で参加して帰りの新幹線に乗っている元彼と
今日の感想とか色んな話をしている中で今回ので装備色々買ったから、
来月末くらいに高尾山にハイキングに行こう、と誘われて
体力作りのためにもうちょっと高い山も秋に登りたいとお願いしたら、
あっさり引き受けてくれてもう私たちは元通りだな、と安心した。
登山用の靴も、来年の春のカンボジア一人旅の装備も選ぶの手伝ってくれるらしい。

そしてジュラシック・ワールド見ねば、と言うので
私が貯めたTOHOのポイントを餌にMX4Dがほぼ無料で見れる提案をしたら
何それ楽しそう、とMX4D未体験の彼はノリノリですぐ日程が決まった。
今週は映画、来週末は幼馴染と3人でご飯、来月末には登山、その前に買い物。
私の一番の男友達のポジションにあっさり彼は戻ってきた。


どんどん埋まっていく今年の予定を見ながら、今は毎日楽しいと思える。
いいことばかりではないけど仕事で自分のためにお金を稼ぎ、
プライベートでは友達とも家族ともバランス良く過ごせている。
初めてのJリーグ観戦やフェス、例年よりハイペースで見ている映画、
自分の足で踏み出した場所や見た景色は私の経験値となり、
ゲームのように少しずつHPの最大値が上がっている感じがする。
ダメージを受けたときは薬や通院、時には休んで回復するようにし、
あとはこのまま倒れている場合じゃない、と自分を管理出来れば大丈夫。
毎年秋が怖いので今はHPを増やすことを意識してオンオフのメリハリをつける。


頑張れ私、無理しないで、転んでもいいから、起き上がって、
ただひたすら、止まらないで、走れ。

焼けた手の甲を眺めながら

私は今まで野外フェスというものは、コアな音楽ファンか、
友達を引き連れ写真を撮りまくるリア充のためのイベントなのだと思っていた。
30歳になる前に一度行ってみたいなーと思いつつ、
何故かサマソニではなくロッキンの4日通し券を買ってしまい、
先週末は小学校時代の幼馴染の男の子とその友達と1泊で行ってきた。
結論から言うと、ただひたすら楽しく、浮かれまくってしまい、
写真を撮りまくって皆で、時々は一人で踊り、叫び、泣き、笑った。


リーダーの幼馴染は忌引で前日までバタバタしており、
行くメンバーでLINEのグループではじめましてしたのは出発の6時間前、
皆同い年と言うこともありテンションも似ていて、これは楽しそうと思いながら
秒速で眠りについて、目覚ましも寝過ごし幼馴染の今から迎えにいくよLINEで起きた。
あのピロン、が鳴らなかったら私は余裕で遅刻していたと思う。

H&Mで買ったメンズのアイスクリーム柄のTシャツにPerfumeのタオル、
駆け込みで買ったH&Mの麦わら素材のキャップ、とTシャツが既に浮かれている。
家の前まで迎えに来てくれた幼馴染に服装の合格点を頂き、
アルファのロメオさんで友達くんの家まで高速を飛ばした。
合流した友達くんはとても優しそうな人で、少し陰のある感じがいい。
彼も初野外フェスなので一安心しつつ、幼馴染が終日ドライバーとのことで、
途中で休憩を何回かはさみながら11時ごろに会場に到着した。

すれ違う人全てに楽しそうな雰囲気が漂っていて、
車から降りた瞬間から見える入口に私たちのテンションは上がりまくり、
荷物を小さくまとめて早歩きで会場の入り口まで向かう。
入口で入場前に撮った写真の私たちはとても楽しそうだった。
これがリア充か!と笑いながら3人でゲートをくぐり、テントを張り、
いざ目指すは腹ごしらえ、と思ったら待機列ですでに汗が吹き出てくる。

水分補給しっかりな!と口すっぱく言われたので水を飲み、ビールを頼み、
日差しの下で飲むビールはこんなに美味しかったのか!と絶叫した。
モテキの藤本が初めてのフジロックで味わったであろう感情を一通り網羅し、
丼とかき氷をがっつり食べて、なんとTwitterで2年くらいリストに入れて
見ていた女の子が幼馴染の知り合いで対面して世間の狭さに感動した。

Silrent Sirenでドラムとベースの子が可愛いなと思いながらファンを凝視し、
PerfumeでSeventh Heavenのイントロで絶叫し
Perfumeの男の子2人をドン引きさせ、
チョコレイト・ディスコでBメロの振りを踊りまくり、PTAのコーナーで爆笑し、
幼馴染の同期くんがステージがよく見える位置にテントを張ってるので、
お邪魔させてもらい、椎名林檎の世界観に酔いしれた。
日が暮れていく中、本日何本目かのポカリを片手に見るその景色は幻想的で、
今日来て良かったなー、と早くもフェスの醍醐味みたいなのを味わっていた。

男の子2人に〆にFear, and Loathing in Las Vegas行こうぜ!と誘われ、
行きの車中で予習させてもらい、彼らが最前列に飛び込んで消えたのを確認し、
私はサイドの柵の最前列に陣取り準備は万端、会場の熱気がすごい。
始まったライブはFall Out Boyが好きな私にはドンピシャで、
興奮のあまりトランス状態になって膝を柵に膝蹴りの要領で強打し死んだ。
転調が面白いし、盛り上げる箇所がちゃんとあってすごいライブ、はまった。
ワンマン行ってみたいなーと思った、来年の武道館狙ってみよう。


最前列でもみくちゃになっていた男の子たちが帰還し、
テントを撤収し、3人1部屋のホテルで楽しかったねーと話しながら
明日のスケジュールをそれぞれ確認して、0時前には寝ていた。
(幼馴染いわく、私は1人いびきをかいていたらしくとても死にたい)

起きても疲れがあまり取れてなかったけど行くぜ2日目!と意気込み、
まずはゲスの極み乙女。でなるほどこれが最近流行ってるのね、
と達観しながら見て、ROCKのモニュメントの前で写真を撮った。
ジャンプなんかしちゃうアラサーな私たち、思いっきり青春している。
きゃりーぱみゅぱみゅを聞きながらお昼ご飯を食べ、
そこから各自慣れてきたので別行動が始まった(本当にバラバラ)

私はくるりをかなりいい位置で陣取り
リハのワンダーフォーゲルで既に涙腺が緩み、
本編のばらの花→東京→虹→ロッキンロールでやっと聞けた!と感動し、
そこから入場規制がかかったMONGOL800の1曲目のあなたにを聞いて、
スピッツのために猛ダッシュしてGLASS STAGEへ小走りで向かう。
もう私は青春ど真ん中の初恋の人が好きだったチェリーを聞いて号泣で、
大学時代気になっていた男の子が好きだった運命の人を聞いて涙ぐみ、
最後のけもの道にテンションがぶち上がって感情がごちゃ混ぜだった。

そして私たちは力尽き、CAPSULEを諦め、帰路についた。
20枚くらい写真を撮り、楽しかった、体の節々が痛いなどと喋り、
帰ってきてLINEでお疲れ様ーとやり取りをして月曜日を迎えた。


私の手の甲は真っ赤に焼けていて(手洗いで日焼け止めが落ちた模様)
腕もTシャツ焼けしていて久しぶりだな、と思いアロエジェルを塗りこむ。
そして男の子たちに色々気を使ってもらって申し訳ないな、と
助けてもらってばかりの私は少しでも何かしてもらったらお礼を言うこと、
を心掛けていたけど過剰じゃなかっただろうか、と思考がぐるぐるした。

邪魔じゃないかな、邪魔にならないように、迷惑にならないように、
と少しでも思うたびに頓服で思考を停止させ、大丈夫だと言い聞かせ、
2日経って言葉遣いが汚かったなとか、あそこでああ言ってたら、と
初対面の友達くんが居たこともあり、たらればの世界にまた迷い込んでいる。
楽しさと反省は表裏一体であり、私は悪い意味で色んな人にオープンだ。
来週は一人で2日間日帰りなので、良くも悪くも気軽だと思う。
久しぶりにネガティブ思考がひょっこり目を出した。

のらりくらりふらり

部長と社長が今月頭から別室に移ったのをいいことに、
集中したい時はiPodでクラシックを聞きながら作業していたら
本日ばっちり見つかって残業時間はいいけど業務時間はだめ、
と当然のことを指摘されてしまい全ては暑さのせい。

最近はアニメ「四月は君の嘘」のサントラの公生と凪ちゃんが連弾する
「"眠りの森の美女"より「ワルツ」(ピアノ連弾版)」がブームで、
これがテンポ良くって作業がさくさく進む。
イヤホンから流れるピアノを聞きながら軽快にキーボードを叩く日々。


仕事はそれなりに楽しく、ノルマが与えられたのでそれをこなしている。
アポを取り商談に出かけ、運よく良い取引先に出会えてそれなりの結果。
最初の中途採用の転職活動の時にコンサルタントのお姉さんに、
営業向いてると思うんですけど嫌ですか?と言われたことを思い出した。
あの頃は自分に自信がなくて前にぐいぐい出ていけなくて、
その苦手意識は今もあるけど何でも慣れだと結構思えるようになった。
あと選択肢が多い分、失敗した時のダメージが少ないのも幸いしている。

そして専務さんが本社に掛け合ってくれ、ボーナスが来月出るらしい。
おじいちゃんから臨時収入を頂いたので、それは貯金に回そう。


先週末は母と2人で京都の両親の祖父母の家に遊びに行き、
土曜日は幼馴染の女の子とそのお母さんとお好み焼きを4人で食べ、
日曜日は朝からひいおばあちゃんのお墓を掃除し、
フルーツサンドを食べ、おじいちゃんちで高校野球を見ながら昼寝し、
夕方に京懐石を美味しい日本酒と共に頂きほろ酔いで東京へ帰った。

今年28歳になる私は母が私を生んだ年齢を去年で通り越し、
祖父母からの結婚報告の期待のまなざしをのらりくらりとかわし、
むしろ誰かいい人が関東に居たら紹介して欲しい、と丸投げした。
もう私の交友関係で全く新しい出会いがない限り夏に恋は出来なさそうで、
そんなことを言っている間に今年があっという間に終わってしまいそうだ。


そして幼馴染の男の子から有給取ったよーと連絡が来たので
よしじゃあディズニーシーに行こう、とあっさり決定した。
そして何故か元彼が友達時代から幼馴染の話はしていたのだけれど、
フライパンの話から彼に会うことに人見知りのくせに珍しく乗り気で、
ロボコン後の飲みには何故か奴も来ることになってしまった。
良くも悪くも思ったことをそのままに口に出す奴に、
ガラスのハートの幼馴染がずたぼろにされないように気をつけなければ。

友達への戻り方

私のバイブル漫画その2の「潔く柔く」の最終巻に収録されている、
百加が主役の短編「潔く柔く -切々と-」にこんな台詞がある。

「再び会ってみるとあたしたちはまだ友達だ
数か月会わなくてもすぐ元通りそれが友達だ
そう思うと今までより幾らか心も軽くなったけれど
また同じことをくり返すのかと思うと
もう あたしはこの復活を手放しで喜べやしない」

一昨日に6月に情緒不安定からぶっちした元彼との飲みに、
先週にこの前はごめん、復活したしもうすぐ誕生日だし、
お詫びにビールご馳走するよ、とLINEを入れたら、日曜日に突如
「明日の夕方なら空いてる」とドライな返事が来て、
ちょうど美容院の予約が終わるころだったから二つ返事で了承した。

髪の毛をばさばさ切ってもらいながら、何話そう、
ちゃんと喋れるかな、ぎくしゃくしたらどうしよう、と悩み、
横浜まで向かう電車の中で安定剤をいそいそと飲んだ。
駅に着くと再来週のボーイスカウトのキャンプの道具を選んでるらしく、
お店の住所が送られてきて、迷ってたどり着いたら、普通に居た。


最初の一言を発した瞬間に私が勝手に感じていた気まずさは消え、
私たちは友達だったころの様に会話が途切れること無く喋った。
違和感もぎくしゃくもないまま、「いつものように」喋り続けた。

来年の途上国旅行シリーズのためにバッグパック買おうかな、と
ふらふら迷う私に面白そうだからなんか背負ってみてよ、と言われ
試しに背負ってみたら「めっちゃおもろい」と笑われ、
友達だったころから何一つ変わっていなテンションにとても安心した。

買い物が終わりビールのお店に向かいつつ、
彼がほとんど覚えていない大学の同級生たちの近況を報告し、
ビールを飲みながら私の幼馴染の男の子について喋り、
来月東京来るんだよ、と言うと飲むんだったら俺も混ぜてよ、とのこと。
選んでもらった服が皆に褒められるんだよ、と言うと嬉しそうで、
出会いがないねえとお互い愚痴り、飲みきれないビールを飲んでくれた。
ビールをおごるはずだったのに気が付いたらフレンチフライを買っててくれた。


飲み終わり、お腹空いたからラーメンかマック!と言う彼に
私は昼ラーメンだったからマックでシェイク飲みたい、と提案し、
駅までの道を歩きつつ何度か手が触れては離れ、少し悲しくなった。
付き合っていた間に「お前は手を繋がないと死ぬのか!」と怒られながら
なんやかんや手を繋いでくれたのは、彼の精一杯の優しさだったんだろう。

もう耐えきれなくなった私は好きだった手を触らせてくれよー!
と本能のおもむくままに絶叫してしまい、横浜のど真ん中で彼を困らせた。
5秒ほど繋がれた手がぶっきらぼうに離されたとき、
もうこの手をつなぐことはこの先ないだろうなとなんとなく思った。
でもマックでは相変わらず喋っていられたことに安心した。


復活した友情に、私は心地よさを感じているけど、
それと同時に距離が一度だけ近づいた2か月も少し懐かしくもなった。
以前は何でも話せる男友達だったのに、少しだけ話題を選ぶようになった。
少しだけ、自分を良く見せたくなってしまう欲が密かに生まれた。

君が近くに居なくても私は平気だし、と妙にクールぶりたくなる。
仕事も頑張って、自分をもっと好きになって、自然に眠くなりたい。
自分で自分を幸せに出来る余裕が生まれたら、次に付き合う人には依存しないで、
相手のことを計算抜きで幸せにしたいと思える恋を、延長線上で結婚がしたい。


俺のことネタにしてブログ書いてるならアドレス教えてよ、と言ってきた彼に、
その主張はごもっともなんだけどさ、来年アフリカ旅行から帰ってきたら、
壮大な物語になってるはずだからその時に教えるよ、と笑ってごまかした。
いやあさっきのバッグパック姿面白かったよ、とまた笑われて、
めっちゃたくましくなって帰ってくるから!と、言って
「いつものように」私は彼の方を見ながら、彼は私を視界に入れつつ
目の前を真っ直ぐ見て、2人で、笑った。