神様のヒマ潰し

The trick is living without an answer.

焼けた手の甲を眺めながら

私は今まで野外フェスというものは、コアな音楽ファンか、
友達を引き連れ写真を撮りまくるリア充のためのイベントなのだと思っていた。
30歳になる前に一度行ってみたいなーと思いつつ、
何故かサマソニではなくロッキンの4日通し券を買ってしまい、
先週末は小学校時代の幼馴染の男の子とその友達と1泊で行ってきた。
結論から言うと、ただひたすら楽しく、浮かれまくってしまい、
写真を撮りまくって皆で、時々は一人で踊り、叫び、泣き、笑った。


リーダーの幼馴染は忌引で前日までバタバタしており、
行くメンバーでLINEのグループではじめましてしたのは出発の6時間前、
皆同い年と言うこともありテンションも似ていて、これは楽しそうと思いながら
秒速で眠りについて、目覚ましも寝過ごし幼馴染の今から迎えにいくよLINEで起きた。
あのピロン、が鳴らなかったら私は余裕で遅刻していたと思う。

H&Mで買ったメンズのアイスクリーム柄のTシャツにPerfumeのタオル、
駆け込みで買ったH&Mの麦わら素材のキャップ、とTシャツが既に浮かれている。
家の前まで迎えに来てくれた幼馴染に服装の合格点を頂き、
アルファのロメオさんで友達くんの家まで高速を飛ばした。
合流した友達くんはとても優しそうな人で、少し陰のある感じがいい。
彼も初野外フェスなので一安心しつつ、幼馴染が終日ドライバーとのことで、
途中で休憩を何回かはさみながら11時ごろに会場に到着した。

すれ違う人全てに楽しそうな雰囲気が漂っていて、
車から降りた瞬間から見える入口に私たちのテンションは上がりまくり、
荷物を小さくまとめて早歩きで会場の入り口まで向かう。
入口で入場前に撮った写真の私たちはとても楽しそうだった。
これがリア充か!と笑いながら3人でゲートをくぐり、テントを張り、
いざ目指すは腹ごしらえ、と思ったら待機列ですでに汗が吹き出てくる。

水分補給しっかりな!と口すっぱく言われたので水を飲み、ビールを頼み、
日差しの下で飲むビールはこんなに美味しかったのか!と絶叫した。
モテキの藤本が初めてのフジロックで味わったであろう感情を一通り網羅し、
丼とかき氷をがっつり食べて、なんとTwitterで2年くらいリストに入れて
見ていた女の子が幼馴染の知り合いで対面して世間の狭さに感動した。

Silrent Sirenでドラムとベースの子が可愛いなと思いながらファンを凝視し、
PerfumeでSeventh Heavenのイントロで絶叫し
Perfumeの男の子2人をドン引きさせ、
チョコレイト・ディスコでBメロの振りを踊りまくり、PTAのコーナーで爆笑し、
幼馴染の同期くんがステージがよく見える位置にテントを張ってるので、
お邪魔させてもらい、椎名林檎の世界観に酔いしれた。
日が暮れていく中、本日何本目かのポカリを片手に見るその景色は幻想的で、
今日来て良かったなー、と早くもフェスの醍醐味みたいなのを味わっていた。

男の子2人に〆にFear, and Loathing in Las Vegas行こうぜ!と誘われ、
行きの車中で予習させてもらい、彼らが最前列に飛び込んで消えたのを確認し、
私はサイドの柵の最前列に陣取り準備は万端、会場の熱気がすごい。
始まったライブはFall Out Boyが好きな私にはドンピシャで、
興奮のあまりトランス状態になって膝を柵に膝蹴りの要領で強打し死んだ。
転調が面白いし、盛り上げる箇所がちゃんとあってすごいライブ、はまった。
ワンマン行ってみたいなーと思った、来年の武道館狙ってみよう。


最前列でもみくちゃになっていた男の子たちが帰還し、
テントを撤収し、3人1部屋のホテルで楽しかったねーと話しながら
明日のスケジュールをそれぞれ確認して、0時前には寝ていた。
(幼馴染いわく、私は1人いびきをかいていたらしくとても死にたい)

起きても疲れがあまり取れてなかったけど行くぜ2日目!と意気込み、
まずはゲスの極み乙女。でなるほどこれが最近流行ってるのね、
と達観しながら見て、ROCKのモニュメントの前で写真を撮った。
ジャンプなんかしちゃうアラサーな私たち、思いっきり青春している。
きゃりーぱみゅぱみゅを聞きながらお昼ご飯を食べ、
そこから各自慣れてきたので別行動が始まった(本当にバラバラ)

私はくるりをかなりいい位置で陣取り
リハのワンダーフォーゲルで既に涙腺が緩み、
本編のばらの花→東京→虹→ロッキンロールでやっと聞けた!と感動し、
そこから入場規制がかかったMONGOL800の1曲目のあなたにを聞いて、
スピッツのために猛ダッシュしてGLASS STAGEへ小走りで向かう。
もう私は青春ど真ん中の初恋の人が好きだったチェリーを聞いて号泣で、
大学時代気になっていた男の子が好きだった運命の人を聞いて涙ぐみ、
最後のけもの道にテンションがぶち上がって感情がごちゃ混ぜだった。

そして私たちは力尽き、CAPSULEを諦め、帰路についた。
20枚くらい写真を撮り、楽しかった、体の節々が痛いなどと喋り、
帰ってきてLINEでお疲れ様ーとやり取りをして月曜日を迎えた。


私の手の甲は真っ赤に焼けていて(手洗いで日焼け止めが落ちた模様)
腕もTシャツ焼けしていて久しぶりだな、と思いアロエジェルを塗りこむ。
そして男の子たちに色々気を使ってもらって申し訳ないな、と
助けてもらってばかりの私は少しでも何かしてもらったらお礼を言うこと、
を心掛けていたけど過剰じゃなかっただろうか、と思考がぐるぐるした。

邪魔じゃないかな、邪魔にならないように、迷惑にならないように、
と少しでも思うたびに頓服で思考を停止させ、大丈夫だと言い聞かせ、
2日経って言葉遣いが汚かったなとか、あそこでああ言ってたら、と
初対面の友達くんが居たこともあり、たらればの世界にまた迷い込んでいる。
楽しさと反省は表裏一体であり、私は悪い意味で色んな人にオープンだ。
来週は一人で2日間日帰りなので、良くも悪くも気軽だと思う。
久しぶりにネガティブ思考がひょっこり目を出した。