神様のヒマ潰し

The trick is living without an answer.

答えは空の上

月曜日に大阪から帰ってきて早4日、家から1歩も出ていない。
ずっと風邪気味で(喉ががらがらするからうがいをしている)
モラトリアム生活にだんだん嫌気が差しつつあるのに何もしていない。
睡眠サイクルは相変わらず朝に寝て夕方に起きている。

そうなんです、これも全部フライパンの幼馴染にふられたから。
と言うか恋に恋しようと8月から頑張って無理やり好きになってみて、
その中途半端な気持ちを今回彼にぶん投げて思いっきり拒絶されて、
返り血みたいにそこらへんに散らばった感情のどす黒さに
本当に惨めな気分になっていて、誰かに話したら泣いてしまいそうだ。
新宿映画館バイト時代の先輩たちとのご飯会が日曜日あるんだけど、
もう全てをネタにして面白おかしく話してやり過ごしてしまわないと。


土曜日は昼までのんびり寝て、お土産の東京ばななを買い、
新幹線でベートーヴェン交響曲を6番の田園から順番に流し、
ちょうど京都辺りで第九の合唱が終わってなんかふわふわしていた。
京都は祖父母の家があるから慣れてるけど、新大阪って慣れない。
なんばで待ち合わせなーと言われてたので若干挙動不審に地下鉄に乗り、
マルイの入り口にいる、とLINEがきたけどマルイがどこだかわからず、
とりあえず重い荷物をコインロッカーにぶち込み看板を見て彼を探す。
相変わらずアラサーとは思えない浪人生みたいな恰好だな、と思いながら
体当たりしてお腹空いた!とぴーちくぱーちく言ってみる。

先輩に一回連れて行ってもらったきりで道あんまり覚えてへんねん、
とお店の名前もわからない状態で歩きはじめ、たどり着くはいい感じのお店。
なんか緊張してしまって2杯目からは梅酒をロックであおり、
彼の家に着いてチューハイをがんがん飲みもう酔っぱらっていた。
家に人が全然来ないから頑張って掃除した、という割には
発狂レベルの埃と水回りの汚さで久々に男の子の1人暮らしの実態を目の当たりにした。
でも眠くてとりあえずシャワーを借りてパジャマに着替え、
もう早々にベッドで寝ることにしたら、ベッドを私に明け渡して
床で寝袋で寝るはずの彼が布団に入ってきて私の脳内は混乱した。

あ、これそういうこと?と早合点した私は腕枕をしてもらい、
なんかあれやこれやと突き進んでしまって途中で彼に
「よし、一回明かりをつけて話し合おう」と言われてさらに混乱。
段階を踏みましょう、と言われて何故か告白もどきをさせられ、
そして何故か上目線で明後日まで考えさせてくれ、と言われて死にたくなった。
酔っていて情けなくてもう意味がわからなくて少しめそめそして、
結局彼の腕枕で同じベッドで疲れ果てて5分も立たず寝たと思う。


次の日むにゃっと起きると彼の目の下にはクマが出来ていて、
尋ねてみるとほぼ一晩中眠れなかったのだという。
午前中をだらだらベッドの中で過ごしながら起き上がり、
エキスプレスパスを取ってるので余裕でユニバへのんびり向かった。
道中で彼がパーカーを脱ぐと紫系のチェックシャツで、
私は赤のチェックシャツを着ていたのでペアルックみたいじゃん…、
とリアルに死にたさに拍車がかかってユニバに着くまで正直憂鬱だった。

が、着いてしまうとやっぱりそんなことはどうでもよくなって、
と思いきやしょっぱなチケット入場口のお姉さんに
「チェックでお揃いなんですね♡」と言われ、顔から火を噴くかと思った。
心が折れながらも入り口にキャラが居ないかなーと探すと公式キャラの鳥
(調べたらウッドペッカーカップル)の女の子ちゃんが居て、
ベテランそうなクルーの方がアテンドしてたので写真をお願いしたら
ウィニー(♀)だけじゃなくてウッディー(♂)も一緒に
4人でカップル同士で撮りましょう♡」と言われおもてなし精神にひれ伏した。
ウッディーが空くまでウィニーちゃんはジェスチャーで
私たちのペアルック、彼のお腹のデブさ、髭の濃さを猛烈にディスり、
その間キャストさんにiPhoneを預けていたので一部始終が連写されていた。
(ものすごい笑顔でひたすら頷いてる私が写っていて面白すぎる)
鳥さんカップルの腕で作ったハートの中に収まり、昼パレードを眺め、
手をつなぎながらスパイダーマンに乗り、BTTFに乗り、腹ごしらえ。

レストランでもフロントのお姉さんに服をいじられ、
ウェイターのお兄ちゃんが爽やか好青年過ぎて色々お話ししてもらい、
ご飯の合間合間に昨日の反省会みたいなのが行われて、
私はもう彼に丸投げして自分のやりたいように楽しむことにした。
そして初めて知ったのだけどユニバのクルーは皆シールを持っているらしく、
10種類以上あるとのことでレストランですでに4種類集まった。

初のハリポタエリアは夜だと暗すぎて何がなんだかわからず、
そこだけが残念だったのとライドが激しすぎてリアルに酔った。
ディズニー同様に体力のないアラサー2人はツリーを撮って帰った。
夜はまた同じベッドで私は逆に何もない安心感からか、ぐっすり寝た。


次の日は朝ご飯を作るという使命があったので一式作り、
彼に食べさせたあとベッドで2時間寝るという女子力の低さを露呈し、
昼からは彼のでっかいバイクで箕面の滝を見に行くことにした。
大学生ぶりに乗るバイクの後ろはやっぱりまだコツがわからないけど、
思いっきりスピードを上げられるとうひゃー!ってなる楽しさ。
山道をうねうね登り、思ったより小さい滝と色づいていない山に若干がっかりし、
もうこれ全部お膳立てしてあげないとだめだ、と帰り道に
乗っけてもらったお礼にご飯ご馳走するよ、と私から提案して、
行く道に見えたららぽーとでなんか食べようってことになった。

と思ったらそのららぽーとは木曜日グランドオープンで、
入り口で今日プレオープンなんですよー招待ハガキ持ってます?
と聞かれて持ってないです…としょんぼり帰ろうとしたら優しいおじさまが
「これで入りー!」って1枚余りをくれて優しい世界過ぎて何回もお礼を言った。

洋食屋さんに入り、よし結論はもう顔に書いてあるからわかるけど、
一応聞いてみていいかしら、と持ちかけると長々とした説明があり、
まあ要するにシチュエーションにこだわるあまり彼は初日の私の行動にビビり
(そもそも同じ布団に入ってくるなと思ったけど、もうお互い様だな)
結局付き合ったところで遠距離なわけで、それは寂しいとのことだった。
でも友達ではいたいらしくて、都合のいい友達以上恋人未満なのだ。
とりあえず私は何でもさせてくれるポジションの女友達なのだ。

新大阪駅まで送ってもらって、何度も謝る彼に惨めになるから
これ以上謝ったら殴る、と言った矢先にごめんって言われてグーパンした。
新幹線の中で仲良しの友達たちにLINE短い報告を何件かして、
名古屋辺りで彼女たちの優しい言葉にちょっと泣いた。


私、元彼と別れたくらいから周りの人たちが本当に羨ましかった。
全力で片思いしている人、お互いを思いあってる人、相手とのことで悩んでる人。
大事に思える誰かが居ない私ってなんか感情が、人間としての魅力が
何にもないんじゃないかって、もう28歳で何もかも手遅れで、もうこのまま誰からも
女性として、パートナーとして愛されないまま終わるのかと思った。
思ったっていうか現在進行形で思っている。寂しい、虚しい、惨めだ。

もちろん人生って恋愛だけが全てじゃないって頭ではわかってるけど、
毎週末にFacebookとかに上がってくる結婚式の写真とか、
Twitterで読むいろんなTweetにお前は幸せなのか?と詰め寄られている気がする。
とりあえず求職活動で年内のもやもやはなんとか晴れそうだけど、
来年あたりにまたきっとガクッとなりそうで本当に怖い。
けど何をどうしたらいいのかわからない。結婚相談所、考えようかな。