神様のヒマ潰し

The trick is living without an answer.

踏み台

土曜日から京都のフライパンの幼馴染と3日間過ごし、
何故こうなってしまったのかと頭を抱える本日。

土曜日は朝早く眼医者に行ってコンタクトを2weeksに変え、
家でだらだらしながら夕方すぎに会場へのんびり向かう。
着いたよーとLINEするともう本戦も敗者復活戦も終わったわ、
としょんぼり後片付けをしている幼馴染を1年ぶりに見て少し笑った。
チームメイトの皆は突如現れた名もなき女子に混乱していて、
こちらも挙動不審になってしまい、いそいそと解散して元彼を待つ。

が「機器が壊れた、間に合うか微妙」とかLINEが来て私たちは落胆した。
そもそも私たちは元彼に合わせてご飯の開始を遅くしたのであり、
何故お前機器の不具合の都合にこっちが合わせなきゃならんのだ、
主役は幼馴染だろうがと私たちは怒りでどっと疲れてしまい、
レストランの最寄りのミスドでドーナツで糖分補給し、
睡眠時間5時間かつ本日ぶっ通しで(負けたけど)頑張った
彼が無防備に小一時間寝るのを手帳をいじりつつ見守る。

よし奴は来ないからもう2人で行こうと決断を下し、
向かうは元彼と付き合うきっかけになったお肉が美味しいお店。
まずクラフトビールを頼み、肉に合う赤ワインをデキャンタで頼み、
それをお代わりし、まだ飲み足りずグラスも追加。
完全に酔った私たちは帰り道、高校生ぶりに手をつないだ。
途中まで同じ電車で、肩貸して、と久しぶりの人肌に甘えていると、
目が合って唇が触れて私の脳内はばちーんとショートした。
おいおいおいおい何をしているんだ私たちは、と頭上の私が叱咤する。
本当はこうなればいいと思ってたんでしょ、と脳内の自分がささやく。
それにしても電車の皆様にはお見苦しい姿を見せたに違いない。


もうアルコールで混乱してた私は何故かこの事案を、
来なかった元彼のせいにしようとして電話をかけていた。
20分ほど喋って、ディズニー頑張って来いよと言われた気がする。

次の朝起きると今年の夏で一番最悪な二日酔いから目覚め、
3時間くらいかけて復活したあと、友人の会社主催の
小栗旬田中哲司さんの舞台REDを見に行って大満足して帰ってきた。
芸術とは、古いもの、新しいもの、作ること、忘れられていくこと、
2人の対話によって語られるそれらはすごく刺激を与えてくれた。
小栗旬の足が長くて、そして舞台俳優だなと納得させられた、気迫が凄い。
ロンドンとブロードウェイでは田仲哲司はアルフレッド・モリーナ、
小栗旬の役はエディ・レッドメインだったそうではまるだろうなと思った。

舞台が予想以上に早く終わったので家に戻ってくると、
今日は私の家族と幼馴染の5人で中華を食べに行く予定だったので
ホテル出る時間になったら教えて、とLINEを飛ばして待っていた。
駅まで迎えに行って昨日の事件の原因を二人で追究した結果、
きっかけを作ったのは私だけど最終的に動いたのは君ね、で決着がついた。

中華料理店で彼はうちの両親に対してきちんとした優しい言葉遣いで話し、
苦手だと言っていた妹ともそんなそぶりを見せることなく話し、
お父さんがガンガン勧める紹興酒を律儀に飲んでいた。
帰り道も駅まで送っていくときに、手をつないだ。


今日は朝7時に駅で待ち合わせね!と6時半に電話すると、
すでに起きていて、ちゃんと起きてるから駅でな、
と優しい京都弁を耳に残し、コンビニでお水を買い向かう。
体内にアルコールが一滴も入っていない私たちは
眠い目をこすりながらごく自然に手をつなぎ、電車に揺られる。

シーは2年ぶりで夏に来るのはかなり久しぶりで、
トイストーリーマニアに開園ダッシュしたものの170分待ち。
とりあえず幼馴染に並んどいてな!と放置してインディーのFPを取り、
アンディの部屋に入ってアメリカのおもちゃの解説をしていたら、
一眼レフが出てきて写真撮ろうや、と言われて寄り添って撮った。
肩に回った腕の緊張がこちらにも伝わってきて少し笑う。
スコア勝負で負けた人がフローズンマンゴーおごりね!といざ勝負。
こてんぱんに負けた(そもそも勝てる見込みなんてなかった)

ウッディの前で写真撮ろう!と私から持ち掛け、
今度は脇腹のあたりに着地しようと伸びてきた腕を応援し、
撮り終わったら手をつなぎなおし、周囲を解説しながら
インディーに向かって女の子たちの写真を撮ってあげたりして歩く。
プルートが居たので駆け寄り、撮るので撮ってください交渉を始め、
早急に3ショットを撮り、わくわくが残ったままインディーに乗った。

もうやり切った感が否めないアラサー二人は、休憩しよう死ぬ、
とアリエルのエリアの薄暗いテーブルでうとうとしていた。
ビッグバンドビートまでの時間つぶしに先輩に勧められた、と
私も初めてのタートルトークで手を挙げたら当てられてしまい、
結婚したいんですけど出会いが無いんです、とガチな悩み相談をすると
「さっきからくっついてるその隣の男じゃだめなのか」とクラッシュ大先生。
まじでどの段階から見てたんだ、怖すぎである。
まさかそんな角度からの返しが来るとは思わなかった私は、
違うんですこの人は友達で!と言い訳してしまい大先生に
「ただの友達とはそんなにくっつくもんじゃない」と説教され心が折れた。

あれはあかんわーと笑いながらジェラート屋へ向かい、
アイスの食べ方が全く同じ(横からぐるりと舐めて上からつぶす)
ことにびっくりしながら違うタイプのコーンを交互にかじり合い、
挑んだビッグバンドビート、彼は案の定英語の歌の連続(英語苦手)に寝た。
ミッキーがドラムを叩くイケメンなシーンで叩き起こし、
最後に夏限定のショーが見たい!と私のわがままを聞いてくれたので
そこ相当濡れますよ、とキャストさんに脅されたのでポンチョを買い、
床屋さんみたい、いやモジモジくん?と何枚も写真を撮る。
ショーが始まり撮影は防水機能付きの彼の携帯に任せ、
容赦なく水をぶっかけてくるキャストさんにコンタクトをやられ、
下を上を向いて瞬きを繰り返したらいきなり抱っこされ、
あゆちゃんミッキーきたで!と人に埋もれてた私をちょっと担いでくれた。
おお、なんか青春してる、と夕日が射す中思ったのを覚えている。
ポンチョで隠れていない部分がびっしょり濡れた私たちは帰路につく前に
地球儀のところで可愛い女子高生たちを見つけて写真を撮ってあげ、
私たちも撮ってもらったところ色彩とズーム、そして構図が完璧だった。
あの女子高生に誰か君は写真の才能があるよと伝えて欲しい。


東京駅で彼の靴下を買い、お土産とお弁当を持たせ、
新幹線乗り場まで見送って何故か脳内に流れるのはドリカムの大阪LOVER。
あ、やばい、ディズニーマジックとやらにかかったかもしれない。
と寒さと、水に塗れた靴の中と、自分の思考の気持ち悪さに少し震えた。

そしてLINEで大好きな友達二人に事の顛末を話して悩む。
忘れるか、追いかけるか、長期戦か、様子見か。
LINEで送り合った写真を眺めながら、ぼんやりと、悩む。
今日の私との疑似デートを思いっきり踏み台にして、
彼はどこか遠くへ行ってしまうのだろうか。