恋の終わりは意外と静かに

春の終わりと共に恋がひとつ終わった。
漫画のモテキが非常に読みたくなり、
彼に貸したままだったので家に取りに行っていい？
とLINEしたところ安定の既読スルーだったので昼過ぎに
ベッドの中から電話をしたところ普通に出た。
最後に声を聞いたのは3週間以上前だったのに、
あまりにもあっさり出たので出た瞬間思わず切ってしまった。

かけなおすと今日は予定あるんだよね、とのことで
その後の予定をどんどん聞いていくともごもご言っているので、
ああこれはもう終わりだ、私から言わないと、と思った。
とりあえず部屋にある私の荷物は全部着払いでいいから送って、
そしてもう付き合っているという関係は解消しよう、と。
定期的に会わなくちゃいけない、連絡を取らなきゃいけない、
という私が彼女になったことによって発生する義務のせいで、
今まで心地よかった距離感は崩れ、彼の言葉を借りるなら
すべてが「めんどくさ」くなりそこからギスギスしていった。

付き合ったらこの関係は今までの友情の延長だ思ってたけど、
私はそれなりに好きで、彼氏なんだから、と色んなことを彼に求めて、
期待して、答えてくれないのは何故、とひとりでぐるぐるしていた。
最後まで一人ジェンガの様に、勝手にブロックを抜いてハラハラして、
たぶん先週くらいにジェンガは崩れ、疲れてた私に、そして彼には
友達に戻るという選択肢が一番よかった。

じゃあ半年に1回くらいご飯食べたりしようね、と言う私に
いやもうちょっと頻繁でもいいけど、と返す彼に少し笑った。
私たちはきっと付き合う前の関係が一番楽しかったし、心地よかった。
じゃあ付き合わなければ良かったのかな、とも一瞬思ったけど、
付き合ってみてだめだったんだし、と結論がわかっただけよかった。

たぶん今日から胸のつかえが取れて、何も悩まずに眠れる。
身が入らなかった仕事も、きっともう大丈夫。
このままだと10月の誕生日くらいまでおひとり様でもたぶん大丈夫だろう。

今週末は友達と一緒に飲んでしょうもないことで笑ったり、
サッカーを見て一緒にはしゃいだり（野次ったり）、
家で映画を見てふむふむと思ったり、部屋を綺麗に片づけ、
明日からの隙間時間に読もうと資格の勉強本を鞄に入れた。
今週は火曜日に心療内科、水曜日にご飯、木曜日にライブ、金曜日に映画。

焦らずのんびり生きていけばいいや、と今回の失恋には
あまりダメージを受けていない、というか3か月前に戻っただけ。
少し彼との距離が縮まって、一歩離れてみたら一番しっくりきただけ。
そんなことをケツメイシを聞きながら思う。
この季節にはケツノポリス5が一番似合う。
ライフイズビューティフルから旅人までの流れが神がかってる。