神様のヒマ潰し

The trick is living without an answer.

フライパンを売りつけられて

昨日ドライヤーで髪の毛を乾かしてボーっとしていたら、
京都の幼馴染の男の子から久しぶりに電話がかかってきた。
お父さん同士が高校の同級生で今でも仲良しで、
同い年に生まれた私たちは、お父さんグループ7人の
合計12、3人くらい居る年代も住む場所もバラバラな2世の中で唯一仲が良い。

彼は女らしさの欠片もない年子のお姉ちゃんが居るわりには
女の子に対しては昔から耐性が無く、根っからの理系で、
高校から理系学部まっしぐらで院まで卒業し、会社もそんな感じで、
話題に困らず会話が30分以上続く女性は私と彼のお母さんのみ、
彼女は出来たことがなく、欲しいものの理想はAKBのゆきりんで、
帰ったらゆきりんが家で味噌汁を作って待っててくれる事が
目下の夢(叶わないと自覚しているあたり救いようがあるが)な、
私が知る限り一番のハイパーこじらせ男子である。


だいたい私たちはいつも3か月に1時間は電話で近況を話し、
年に1回は私が京都のおばあちゃんちに行くときには会う。
お互いのしくじった話をしながら笑い、仕事の愚痴をこぼす。
先週の合コンが、今いい感じの人が、最近結婚した友達が、
面白いアニメを見た、昔のこの漫画を今更読んだらはまった、
最近ニュースで見たロボットって何が便利なの?など話しながら、
私は従兄弟が母の妹家族しか居なくハーフでほぼ外人だし、
男兄弟は居なくて私より態度も身長も学歴も超越した妹が2人だから、
こうやってなんの利害関係もなく、色んなことを教えたり、
教えてもらったりするこの関係がとても好きだ。

私たちを結ぶ繋がりは細すぎて、何もかもが違いすぎて
それがちょうどいい親戚と接するような距離感を生んでいる。


で、今回はどうしたのよと根掘り葉掘り聞いてみると、
就職してから寮を出て始めた1年以上している一人暮らしで、
日曜の夜に家に誰も居ないさみしさから、誰かと喋りたかったらしい。
男友達でもいいけどなんか違くてー、と優しい京都弁が耳に響く。
あーわかるわかる、私も君のこと時々そうやって利用してるよ。
そしてこの前合コンした女の子から個人的にロックオンされ、
現在フライパンを売りつけられそうになっている話に爆笑した。

そう言えば来月東京に会社のロボコンで来るでしょ、と持ち掛けると、
週末が大会だから平日に有給取って遊んでくれーって言われたので、
なんとディズニーに行くかもしれない話が持ち上がってわくわくしている。
いつも会うとお酒が無くても3時間は飽きずに喋っていられる私たちは、
きっと余裕で乗り物の待ち時間をつぶせるだろう。

 

秋葉原とかガンダムショップとかは男だけで行けるから、
なんか女の子としか行けないような場所に行ってみたくて、
と言われて、この前書いた遅れてきた青春のことを思い出した。
ああ、彼も夏だし、なんか青春っぽいこと、してみたいんだな。

高校生の時にお父さんグループで彼の家の前で花火をした時、
自転車二人乗りして坂道をくだってアイスを買いに行った、
まるでゆずの夏色のサビみたいな青春を10年後、再びやってみよう。