神様のヒマ潰し

The trick is living without an answer.

雨が打つ

夏の風物詩、ドクターストップがやってきた。


先週の金曜日を休んだ時から嫌な予感はしていて、
週が明け、火曜日の仕事を終えた時には気分はどん底だった。
PCの時計が18:30に変わった瞬間シャットダウンをぽちっと押し、
iPodのボリュームを最大にし、ギターがうるさい洋楽を流し、
行きかう人々が思わず視線を上げるくらいの音量を垂れ流し、
ひらひら可愛いネイビーの花柄の膝丈スカートが揺れること、
湿気、のろのろと歩く人々、仕事のメール、ギターの音、
五感で感じる全てを呪いながらヒールで闊歩する私は
確実に目つきが悪かっただろうし、危ない人だったと自分でも思う。


水曜日に起きても生きていることを呪う気持ちが消えず、
私はこのまま仕事に行ったらビルから身投げをするか、
中国人ちゃんか老害に何かしらの危害を加えると判断し、会社を休んだ。
今まで自分の不甲斐なさに絶望ばかりしていたのに、
今回は明確に自分以外に傷つけたい人がいるのは初めてだった。

よく寝て、映画を3本続けて見た。
頭を空っぽにして見れるワイルド・スピードの4作目、
いつ見てもビッグはビビりのクズだしキャリーはバカだと思い
それでも毎回ミランダとスティーブが橋で再会するシーンで泣くSATC、
ジェシーみたいな人と結婚したいと思ったビフォア・ミッドナイト
(私もジュリー・デルピーみたいなことを言う40代になりそう)
映画でアメリカとギリシャを旅したけれど、思考はもやもやだった。

この状態はまずい、と感じた私はお母さんに部屋で一緒に寝てもらい、
(前回はこれを怠ったばかりに夜中に手首を切る羽目に)
今日も会社を休み、先生に症状を話して診断書を書いてもらった。
1人で電車で行ける自信がなかったから、お母さんに車で送ってもらった。


すっぴんメガネほぼパジャマで現れた私の話を一通り聞いた先生は、
今回はよく自己分析出来てるね、全部中国人ちゃんが悪いんじゃなくて、
もやもやを集約して彼女にぶつけているって自覚出来てるじゃない。
だから今回の仕事に行けないのは僕がそう診断したせいにしちゃおう、
君は仕事に行きたいのに僕のせいで行けないからしょうがない。
週末ゆっくり休んで、休んだ分は最初に一言謝って、誰の目も気にせず、
君はただ自分の仕事を整理して、淡々とこなせばいい。
仕事はいつもうまくいくとは限らないから、それはここに来た時に吐き出そう。

診断書を会社にFAXしてもらって、部長に夕方まで連絡しなくてすみません、
診断書の通りなので月曜日まで出社出来ません、と電話を入れると
俺もう本当に心配して君の家まで安否を確かめに行こうかと思ったよ、
とりあえず先生の言うことを聞いてゆっくり休みなさい、と言われた。
お母さんは電話で少し泣いた私に帰ったらシュークリームを出してくれた。
明日の飲み会は昨日のうちに無理だと判断して欠席の連絡を入れた。


今回も診断書には「抑うつ状態」と書かれていた。
慢性的な症状は躁うつと解離性障害だけど、今の私は弱っているのと
集中力が異様に低下しているので仕事に通常のように集中できない。
こう書くと怠けているように思えるかもしれないけど、
仕事のその日のタスク以上をこなすことが先週から異様に困難だった。
タスク以上をこなした方が次の日の仕事量が減るのに、それが出来ない。
そのタスクが終われば脳は呪詛や逃避に走り、不健康そのものだった。

明日もう少し今の精神状態について書きたいと思う。
薬が効いてきて眠くなってきた。鬼束ちひろの眩暈が心地よく響く。